■低評価の真意
「え、5点!?」
予想外の厳しい評価に思わず聞き直してしまったが、佐々木自身の中で理由があった。その真意を、次のように説明する。
「得点には関わりましたけど、やっぱうまくいかない時間帯で失点してしまうというのが今のチーム状況だし、後ろの状況だと思うので、もっと修正できるところがあったと思うんです。そういったところをできなかったっていうのがすごい後悔が残っていて、後ろとしては、(大南)拓磨くんとも話しましたけど、もっと声をかけてやらなきゃいけない」
ピッチに立つ時間が長くなり、そして、力強いプレーをできることで、佐々木の自身への評価軸はチームに勝利をもたらせるかどうかに変わっているようだ。
その気持ちを高める存在の一つが、サポーターである。心の中のもどかしさを、「選手としては何とか勝ちたいという思いでやってますし、アウェイでもこれだけのたくさんのサポーターが応援しに来てくれて、勝てない中でも毎試合応援してくれてるので、そのサポーターのためにも勝ちたいっていう思いが強いです。この試合もすぐに切り替えていい準備して、次、何とか喜び合えるように」と説明する。
とはいえ、好調な佐々木だ。このプレーを続けていけば、それも実現してくれるはず。そんな思いを言葉にすると、返ってきたのは責任感を込めたものだった。
「得点やアシストでチームを勝たせられる選手になりたいっていう思いが日に日に増してきてるので、すごい良いメンタリティでできていると思いますけど、やっぱり結果がついてきてないので。もっともっとみんなを巻き込めるような選手になればいい」
劇的な同点にも満足することのできない背番号5が、チームに歓喜をもたらす準備はできている。
(取材・文/中地拓也)