■10試合続けてスタメン

 その一方で4ー2ー3ー1の2列目は個性的なタレントが充実しており、誰がスタメンで出ても、試合中にポポヴィッチ監督が必ずと言っていいほど交代カードを切っていくセクションになっている。ただ、その中で右の師岡柊生が8試合、トップ下の名古新太郎と左サイドハーフの仲間隼斗が10試合続けてスタメンで使われているのには明確な理由があるだろう。しっかりと前から守備のスイッチをかけながら、ボールを奪ったら素早く縦に運んで仕留め切る。

 そうした高強度のスタイルで、コンパクトなハイラインの守備と素早いトランジションをしっかりとこなせるセットであることだ。彼らの良さが顕著に出たのが、浦和戦の先制点につながるシーンだった。浦和の右からのビルドアップに対して、FWの鈴木と左サイドの仲間でプレッシャーをかけて、二人の狭間からオラ・ソルバッケンに出た縦パスを関川が潰しに行く。

 セカンドボールを安西がヘッドで前に折り返し、鈴木がショルツを背負いながら中央に出したボールを名古がワンタッチで前に照り出す。そこに連動した師岡が、浦和の左センターバックであるマリウス・ホイブラーテンと左サイドバックの渡邊凌磨の間で受けて、そのままドリブルで突破すると、右ワイドからシュートを打ち込む。GK西川周作に弾かれたが、外にこぼれたボールを鈴木が押し込んだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3