■秋葉監督は交代カードを切るが…

 後半開始とともに、秋葉監督が動く。ルーカス・ブラガに代えてFWカルリーニョス・ジュニオを起用する。背番号10は3試合ぶりの出場だ。

 しかし、次の1点を奪ったのも清水ではないのだ。59分、自陣から前進する愛媛を止められず、左サイドを崩されてしまう。練習どおりと言っていい形で崩され、2点目を決められてしまうのだ。

 後半も相手のビルドアップに規制をかけられず、ワンタッチを効果的に使われて守備を剥がされる。長い距離を惜しみなく走る相手に後退を強いられ、ボールを奪っても攻撃のスタート地点が低くなる。相手の背中を素早く突くことができない。

 秋葉監督は65分に右ウイングバック北爪健吾を下げ、MF松崎快を投入する。74分には2枚替えを行ない、MF矢島慎也とFWドウグラス・タンキを投入する。システムを4-4-2に変更した。

 78分にはボランチに入った矢島が、FW北川航也へ縦パスを差し込む。北川がワンタッチで落とすと、ドウグラス・タンキが左足を振り抜いた。2トップに変更した意図が表われたシーンで、その後も両サイドからのクロスに2トップが飛び込んでいく。愛媛の守備陣は下がりながらの対応になることが多くなり、クリアしても距離が出ないため清水はセカンドボールを確保できる。ようやく押し込めるようになったが、90分に決定的な3点目を喫して試合は終わった。途中交代で入った愛媛MF浜下瑛の、浮き球を捉えてボールにドライブがかかった凄いミドルシュートだった。

 清水はまたしてもアウェイで黒星を喫し、2位のV・ファーレン長崎との勝点差が「4」から「3」に縮まった。3位の横浜FCとも勝点「3」差である。

 試合後のインタビューに応じた秋葉監督は、厳しい表情で話した。

「アウェイで勝てない原因をしっかりと正確に探り当てないと、続いてしまう。なぜこうなっているのかもう一度死に物狂いで探しながら、アウェイでどうプレーするべきなのか、どう改善できるかを考えたい」

 愛媛が素晴らしいゲームをしたのは事実だが、アウェイで喫した完敗は清水に重い。次節もブラウブリッツ秋田とのアウェイゲームだ。負の連鎖を断ち切らないと、首位から転落してしまう可能性もある。

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