■「求められる」クラブとしての切り替え
後藤「今年は、今から優勝を狙うというのは無理だと思う。それよりも、来年度以降にチーム全体をどうしていくのかを考えるべき。来年以降もパスサッカーを貫いて強さを取り戻そうとするのか、ひとつのサイクルが終わったと考えて、違うサッカーに切り替えるのか。あれほど良いサッカーができていたんだから、それを取り戻して、もう一度、あれくらい強いチームをつくってほしいような気もするし。ただ、それを取り戻すには時間がかかりそうだから、少し内容を変えていく必要があるだろうし。クラブとして、これからどうしていくのかを、よく考えるべき時期にあるよね」
大住「しかも悪いことに、罰ゲームがあるんだよね。今年のACLはめちゃくちゃきついよ。このまま夏も停滞して、秋にACLとリーグ戦の掛け持ちになったりすると、本当にボロボロになる可能性がある」
後藤「それも含めて、クラブとしてどうするのか、だよ。監督の問題じゃなくて」
大住「鬼木監督の下での8シーズンで、J1を4回も制した。完全にひとつの時代をつくったけれど、それが終わるのはサッカーチームにとってしょうがないこと。僕がもしもクラブの経営者だったら、今年に入る前に切り替えたと思う。完全に落ち込む前に切り替えなきゃいけないんだけど、鬼木監督の実績とチームを掌握している様子からして、踏ん切るのは難しかったのかもしれない。監督交代はギャンブルでもあって、狙いと逆の結果が出ることもあるからね」
後藤「替えるにしたって、どういう監督を連れてくるかだよね。昔の川崎みたいなことをまたやろうとして、そういうことができる人を探すのか。それともこの際、過去の栄光は忘れて、まったく違うサッカーをするチームをつくるのか。極端な話、もう一度、風間八宏さんに基礎をつくってもらうという手だってあるよ」