■伊東&三笘の不在時の不安払しょく

 今回試している攻撃的3バックを今後、使えるメドがつけば、伊東純也(スタッド・ランス)と三笘薫(ブライトン)という両翼を使えない状況が続いたとしても、攻撃が膠着状態に陥らなくて済むはずだ。アジアカップで日本が早々と敗れたのは、伊東封じの対策を徹底されたうえ、三笘がケガで万全でなかったことが大きかった。

 カタールでは、4-2-3-1のベースを変えずに、そのまま堂安や中村、前田を置く形で打開策を見出そうとしたが、うまくいかなかった。伊東と三笘という「圧倒的な個」の代役はそう簡単に見つからないからだ。

 だが、システムを3バックにして、組み合わせや立ち位置で攻撃面の工夫をつけられるようになれば、伊東・三笘不在時に違った戦い方ができるかもしれない。むしろそれを確立させなければ、最終予選でアジアカップの二の舞にならないとも限らない。シリア戦は解決策を探るという重大なテーマにおいても、見逃せない一戦になる。

 9月からの最終予選を不安のない状態で戦えるように、日本代表には内容ある勝利を強く求めたい

(取材・文/元川悦子)

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