■「絶対に自分は負けちゃいけない」

「今、鹿島の特徴として、両サイドバックが高い位置で攻撃参加してチャンス作ってくれてるので、相手のヤン・マテウス選手、逆のウイングも攻め残りする選手が多いんで、そこのカバーを意識してやりました。

 前半は天野選手の立ち位置がすごく賢くて、やりづらかった、自分としては苦戦したんですけど、後半はちょっとオープンな展開になって、自分たちの攻撃で上回れたんで、そこは良かったかなと思います」と本人も90分間通して自分らしさを出せたという。

「危険な場所には必ず知念がいる」と言ってもいい状況を作った背番号13。この日の最たるシーンと言えるのが、鈴木優磨アンデルソン・ロペスから奪ったボールを知念が運ぼうとして、逆に後ろからタックルされた後半26分の場面だろう。普段温厚で感情の起伏が少ない背番号13が熱くなってロペスに向かっていき、木村博之主審が止めに入ったほどだった。

「球際だったり、デュエルだったりの部分では、絶対に自分は負けちゃいけないと思ってやってるんで、そこは持ち味出せたかなと思います」

 本人も語気を強めたが、5月30日時点の2024シーズン・デュエル勝利数は68とダントツのトップ。鹿島のデュエル王というと、佐野海舟を思い浮かべる人も多いだろうが、佐野は30で知念の半数以下。このデータを見ても分かる通り、「ボランチ・知念」が今季鹿島に大きなプラスをもたらしているのだ。

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