後藤健生の「蹴球放浪記」第215回【「海外旅行は言葉ができなくても大丈夫?」の巻】(2)ドイツ「乗車ホーム」変更とオランダ「田舎駅」の奇跡の画像
2005年ワールドユース選手権決勝の入場券。提供/後藤健生

 外国へ行くと楽しいのは、違う文化に触れられるからだ。その一つが、言語である。習得は必要不可欠ではないが、学べば旅が楽しくなることは確か。時には、旅行中に急激に上達することもある。蹴球放浪家・後藤健生にも、2005年のワールドユース取材時に、そうした経験がある。

■ドイツでよくある「乗車ホーム」の変更

 乗車ホームの変更というのも、オランダやドイツなどでよく出くわします。

 日本では鉄道の路線というのは直線的に走っています。というのは、内陸は山が多いので、東海道線とか山陽線といった主要路線は海岸に沿って走っていることが多いからです。

 そういう場合、駅の乗り場は上り線と下り線しかないわけです。

 鋼鉄製の線路の上を鋼鉄製の車輪で走行する鉄道という交通機関は、勾配が大の苦手なのです。とくに、日本の鉄道網が整備された明治時代は、勾配は今よりずっと大きな問題でした。たとえば、東海道線で豊橋から名古屋方面に行くのに、当初は旧東海道沿いに線路を敷こうと思っていたらしいのです。現在の名古屋鉄道(名鉄)本線が走っているルートです。

 しかし、当時の技術では勾配がきつすぎたので、結局、東海道線は蒲郡や岡崎方面に迂回して線路が敷かれたのです。

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