今季J1初昇格の町田ゼルビアにリーグ戦に続き、YBCルヴァンカップでも手痛い黒星を喫した鹿島アントラーズ。0-2という結果も屈辱的だが、3対13というシュート数もショックが大きい。決定機らしい決定機は皆無に等しく、内容的にも完敗だった。
試合後、選手たちは敵地・町田GIONスタジアムに陣取った熱狂的サポーターから大ブーイングを浴びせられた。1つ目のタイトルを逃した事実はやはり重かった。
「アップの時にスタンドを見て、これだけたくさんの人に応援しに来てもらったんだと驚きましたし、その思いを勝利という結果で届けたかったんで本当に残念です。サポーターの声や思いを受け止めるために、少し長く時間を取ってゴール裏に行きました」
長いケガを乗り越えて、ようやく今季初出場を果たしたキャプテン・柴崎岳は真っ先にサポーターの前に歩み寄り、深々と挨拶をした。自身の復帰戦、しかも青森山田高校時代の恩師・黒田剛監督率いる相手にこんな負け方をしてしまったのだから、悔しさや不完全燃焼感、複雑な感情が去来したはずだ。が、彼にはチームを立て直すという使命がある。背番号10に託されるものは少なくないのだ。