【川崎、6戦ぶり勝利の裏にあった試合前日の青空決起集会。負傷者も集合して一つにした気持ち(1)】佐々木旭が前日の居残り練習で掴んだ感覚がもたらした会心のゴラッソの画像
浦和レッズ戦でゴールを決めた瞬間の川崎フロンターレの佐々木旭 撮影:中地拓也

 何かに導かれたかのように、川崎フロンターレのDF佐々木旭は居残り練習に加わっていった。ホームのUvanceとどろきスタジアムに浦和レッズを迎える3日の一戦へ向けて、グラウンドではFW陣が試合前日恒例のシュート練習に励んでいた。

「そこで自分も2本くらい打たせてもらって、けっこういいシュートを打てたので。そのイメージがあったので、今日も思い切って打ってみようと思って」

 利き足の右足に残る好感触が蘇ってきたのは、1-1で迎えた49分だった。

 自軍のゴール前から佐々木がクリアに近い形で前方へ蹴り出すと、ボールは今シーズン初先発のFWバフェティンビ・ゴミスの元へ渡った。浦和のゲームキャプテン、DFアレクサンダー・ショルツを背負った壮絶なデュエルが始まる。

 身長186cm・体重90kgの巨躯を誇るゴミスなら、必ず味方にボールを落としてくれる。そう思ってポジションを上げた佐々木は、ちょっとした異変に気がついた。

「バフェ(ゴミス)が収めたときに、周りにサポートがいなかった。自分の前が空いていたので、それで前へ出ていったら(橘田)健人くんからいいボールが来て」

 デュエルを制したゴミスからボールを託されたMF橘田健人が、ゴミスとの距離を詰めていた佐々木へワンタッチパスを通す。ちょうどハーフウェイラインあたり。その7秒後に勝ち越しゴールが生まれるとは、このときは誰も思わなかった。

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