J2の横浜FCが、第13節で勝利を飾った。2-0での完封勝利だったが、先制点の場面にファンの視線が集まっている。
今シーズンも、J2は大混戦となっている。その中でも、“抜け出したい”のは、J2に降格してから日が浅いクラブだ。負のスパイラルにはまる前に、J1復帰を成し遂げたいと考えている。
そうしたクラブのひとつが、横浜FCだ。昨季にJ1で唯一のJ2降格枠となる最下位でシーズン終了。悔しい思いを抱えながら、逆襲を誓った。
5月3日のJ2第13節、横浜FCは4位で試合を迎えた。自動昇格圏である2位のV・ファーレン長崎とは6ポイント差があったが、3位のファジアーノ岡山とは勝点1差。一方で9位のブラウブリッツ秋田までも3ポイント差しかないという1節で順位が急変動し得る状況で、水戸ホーリーホックとのホームゲームに臨んだ。
その試合は、0-0でハーフタイムを迎えた。予想通りに、緊張感をはらんだゲームだった。
緊張感が高まるほど、試合は思わぬ形で動くものだ。この日の試合が、まさにその典型だった。
両チーム無得点で迎えた後半7分、まさかの事態が起こった。アウェイの緊張にさいなまれながらもボールを抑えた水戸GK春名竜聖は。自らを落ち着かせるようにボールをバウンドさせながら攻撃に移ろうとする。次の瞬間、悲劇は起こった。
春名は通常通りにパントしようとしたのだが、ミスが起こった。これがアウェイの圧力なのだろうか、特にプレッシャーをかけようとしていたわけでもない横浜FW高橋利樹に、パントが直撃してしまった。
この絶好機を、ホームの横浜FCは逃さない。走り込んだカプリーニが拾うと、そのままゴール。大きな先制点となった。