■「特に何かしゃべってるわけでもなく、フィーリングとしてもう合っている」

 前半8分には、このコンビの絡みから先制点が生まれる。山田楓が右サイドでボールを持つと、関根がインナーラップ。途端に、ボールは背番号11から背番号4へと渡る。関根はペナルティエリア内で落ちついてボールをキープし、相手選手2人を引きつけたうえで山田楓に戻す。

 その山田楓が、再びインスイングで放ったクロスに、松木が今度はダイレクトで合わせてゴールを奪ってみせた。カタールの地での最初の得点は、右サイドからもたらされた。

 今大会の開始4分のチャンスと8分での得点は、冒頭で述べた2人の言葉の強さを物語る。しかも、この試合は直後に日本が数的不利になったことで中国の攻撃を受け続ける形になっただけに、右サイドの2人の連携と松木の飛び出しがなければ苦しい展開を強いられていた。頼もしさを感じるのは当然のことと言えばそうだろう。

 山田楓は2人の関係性についてこうも語っている。
「特に何かしゃべってるわけでもなく、フィーリングとしてもう合っている」
 この2人が、カタールとの大一番で再結成するか――。

(取材・文/中地拓也)

(後編へ続く)

(2)へ続く
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