■「ここに選ばれなくて来れなかった選手もいます」
内野はこのDFBポカールを除いてここまでPK戦をあまり経験してこなかったというが、「各自が勇気を出す場所」と話す。そして、「たとえば外した選手が出たときに、蹴ったっていう勇気は尊重するべきだと思うし、そういうアフターケアは必要だと思う」と、チーム全員で挑むものだと説く。
試合中のPKキッカーは試合前に決まっているというが、ここまで大岩ジャパンでPK戦の経験がないだけに、キッカーが挙手性になるか、あるいはベンチで指名するのか分かっていない。そんな中で内野は、「自分は蹴りたい人がいるなら蹴るべきだと思います」と勇気の重要性を説く。
その強い思いは、日本を代表する立場にあればこそ。「ここに選ばれなくて来れなかった選手もいますし、そういう人たちのためっていうのももちろんありますけど」と話したうえで、「小さいとき、日本代表が負けた姿をテレビで見て悔しかったし、ましてや韓国に負けたら自分はまったくそこに関わってないのに、ちょっと晴れない気分になった。サッカーをやってるとか関心のあるかないかとかは関係なく、日本全体を代表して戦わないといけない意識はあります」と説明する。
「今までやってきた2試合みたいに本当にいいパフォーマンスを出せる自信が自分たちにある」
こう力強く話す内野が、勝利のためにサイドを疾走する。
(取材・文/中地拓也)