【4試合連続無得点と苦しむ川崎フロンターレ。模索する攻撃の解決策とは(2)】家長昭博が説く「思考の逆」。ジャブなき攻撃に、「現実として最後まで(相手は)元気ですよね?」の画像
川崎フロンターレの家長昭博 撮影:中地拓也

 川崎フロンターレの黄金時代を支えてきた2人のベテラン、36歳のFW小林悠と37歳のMF家長昭博は、東京ヴェルディ戦のキックオフをベンチで迎えた。

 1トップのエリソンに代わって小林が投入されたのは64分。今シーズンの出場7試合がすべて後半途中からとなっている、自らに託されている役割を、J1歴代7位タイの通算139ゴールを決めている小林は誰よりもよくわかっていた。

 しかし、放ったシュートは1本だけ。ゴール前の混戦から左足で放った79分の一撃は、東京Vの守護神マテウスに難なくキャッチされてしまった。

「選手間の距離が遠いと、相手に狙われる状況でボールを受けなきゃいけない。僕はそういうプレイヤーではないので、できれば味方との距離を近づけながら攻めたいんですけど、いい距離感でできたのはシュートを打ったあのシーンくらいでした」

 初優勝した2017シーズンに得点王とMVPに輝いたストライカーは、4月に入って2分け2敗と未勝利が続き、攻撃力を看板にしながら、すべて無得点に終わっている泥沼状態から抜け出すカギを「味方との距離感」に集約させた。

「僕個人の力不足もありますけど、味方にボールを当てて中へ入っていくとか、選手同士の距離を近づけながらチームとしてどう崩していくのか。ずっと言っている点がなかなか改善されない。映像を見直して、話し合いながらやっていくしかない」

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