■脇坂泰斗が歓迎するチームの変化

 16日の練習では、いつもとは違うように感じられたことがあった。それは、声だ。ゲーム形式の練習やゴールに迫る崩しの練習で、今年一番と言っていいほどに声が出ていた。

「切り替えろ!」
「もっと早く!」

 いつもより大きく、いつもより多く、いつもよりたくさんの選手が、声を出して緊張感をもたらしていた。

 脇坂は「意識的に(声を)出してる選手が多かったので、それはいいこと」「気持ちの切り替えはできるからこそ、そういう行動」と歓迎したうえで、主将だからこそ、さらなる意識の強さを求める。

「チームはみんなで良くしていくものですけど、“俺が変えてやる”とか、“自分が良くしてやる”とか、自分が勝たせるという気持ちは絶対に必要だと思う。そういう選手がたくさんいるチームが強いチームだと思いますし、それがまた競争や刺激につながって、より強いチームになる。だから、そういった選手がまだまだもっともっと出てこないといけない」

 20日の東京ヴェルディ戦は、すぐにやってくる。勝利を欲したフロンターレが、等々力で本来あるべき姿を見せる。

(取材・文/中地拓也)

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