■口にした「2つのキーワード」
この言葉の前に、小林はある2つのキーワードを口にしている。「自信」と「イメージ」だ。圧倒的な強さを示していた20年以降、いや、本来はそれ以前から重要視しているものでもある。この2つの言葉だけではやや抽象的に聞こえるかもしれないが、このチームでは大きな意味を持つ。
自信の有無がもたらす影響を、小林はこう説明する。
「勝ててないからか、ちょっと自信がないプレーが多いと思いますし、内容のままの結果が出ちゃってるっていうか……。内容が悪くても結果が何とかできればまた変わってくると思うんですけど」
自信を導くための勝利とゴールが求められるが、そこに至るイメージにも齟齬がある。
「イメージが合ってないなら、違う攻め方をしなきゃいけないと思うし、繋ぐことが、今、何て言うんですかねいいのかっていうのがだんだん、今、みんな多分そのそこに対しての自信がなくなってきてるのかなっていうのは、見ててちょっと思うところありますし」
鬼木達監督も、常々口にしているのは「自信を開放してあげたい」という言葉。相手のイメージを覆すためには、意表を突くためには、思い切ったプレーが必要となる。ドリブル然り、パス然りだ。ただし、思い切って体を動かすためには、技術と同時にメンタル的な強さも必要となる。
小林は言う。
「それならもうちょっとダイナミックな分かりやすいプレーの選択もあると思うんですけど、みんなどうしたらいいのかなって思いながらプレーしてる時点でちょっと後手に回ってるというか。いいときは自然と体が動いて、考えなくてもみんなのイメージが合ってくるんですけど、みんな伺いながらというか、勝ててないからだと思うんですけど、そこを変えていかなきゃいけない」