■3連戦3連勝を達成
たくさんの得点機を作り出すことはできていないが、相手にも作らせない。清水の試合運びは、後半も危なげない。
その要因となったのが北川だ。4-2-3-1の1トップを任されるキャプテンは、相手CBを背負いながら攻撃の起点となり、必要なら中盤へ下りてビルドアップをサポートする。ボールを失うことがほとんどない彼の存在は、チームの戦いぶりを安定させていた。
新外国人のブラジル人FWルーカス・ブラガもフィットしてきた。この試合が3試合連続スタメンとなる背番号11は、得意のドリブルで相手DFラインを後退させ、ボランチやサイドバックの攻撃のかかわりをスムーズにしていた。彼自身に得点が生まれれば、さらに乗っていけるだろう。
そのルーカス・ブラガに代わって途中出場した西原源樹も、ホームのファン・サポーターを大いに沸かせた。3試合ぶりの登場となった17歳は2列目右サイドで起用され、意欲的な姿勢で相手ゴールに迫った。Jリーグ初得点は記録できなかったが、攻撃のギアを上げる役割を担った。
秋葉監督はゲームの終盤に、CB高橋祐治を送り込んだ。守備時は3バックになる逃げ切りパターンで相手のパワープレーを跳ね返し、「ウノゼロ」の勝利を手繰り寄せた。
試合後のフラッシュインタビューに応じた指揮官は、「前節の千葉さん、秋田さんと、去年悔しい思いをさせられた相手に、選手たちが良く戦ってくれました。最後の最後まで一分のスキを見せずに、相手の土俵でも一歩も引かずにしっかりと跳ね返してみせた」と振り返った。昨シーズン勝利できなかった相手に連勝し、4節の大分戦から3連勝を達成した。
6節を終えたJ2リーグは、ファジアーノ岡山が5勝1分の勝点16で首位に立つ。5勝1敗の清水は勝点15の2位だ。序盤に大きく躓いた昨シーズンを糧に、申し分のないスタートを切っている。