■選手選考のサバイバ

 そうした前向きなプレーはもちろん、藤田譲は山本ともに振る舞いでもチームを引っ張っていける存在でもある。「前半やっぱり自分たちの勢いがなかったですし、自分も何回かベンチを飛び出して選手に話しましたけど。そう言ったものがもっと、最初に出ているメンバーから見られたら嬉しい」と藤田譲は語る。

「そこはチーム一丸で、ベンチの選手も関係なく、隙があれば話に行くのが大事だと思うので。自分がベンチからスタートするんだったら、そう言うところでサポートして行ければ」

 そう語る藤田譲はマリ戦で起きたミスについて、今後のミーティングを通して監督やコーチからのフィードバックを受けながら、結局は自分たちがいかに反応して、次に生かしていくかが大事だと強調する。「次の試合のメンバーたちに自分から発信していきたい」と語る藤田譲はおそらく、山本がベンチスタートになる可能性の高いウクライナ戦で、まとめ役になっていくはず。

 もちろん彼の姿勢は頼もしいが、山本や藤田譲に頼るだけでなく、チーム全体でリーダーシップや発信力を共有していけるか。そこは予選突破の鍵になるとともに、残りの欧州組やオーバーエイジも入ってくるパリ五輪に向けたサバイバルの指標になっていくだろう。

(取材・文/河治良幸)

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