【パリ五輪予選を前に、マリ戦で”大岩ジャパン”が突きつけられた本質的な課題(2)】藤田譲瑠チマの前向きな姿勢と発信力が逆説的に表すもの……選手選考、最終サバイバルの指標の画像
U-23サッカー日本代表の藤田譲瑠チマ 撮影:中地拓也

 チームの抱える問題をベンチから感じていたのが”ジョエル”ことMF藤田譲瑠チマだ。キャプテンの山本理仁と並ぶ中盤の主力であり、多くの欧州組を欠く今回のメンバーで、ベルギーの環境で揉まれる藤田譲は前半から「圧倒的にシュートが少なかった。そこは自分発信でやっていかないといけない」と指摘する。

「言い方はおかしいですけど、別に汚いシュートでもいいので。汚いゴールでもいいから、決めないといけないシーンが何回かあったので。そういうところは泥臭く戦っていかないといけない」

 最終的に後半45分のゴールで突き放される形となったが、やはり藤田譲が佐藤恵允(ブレーメン)とともに投入されて、山本と中盤に揃ってからはチームが前向きになり、マリのディフェンスを脅かすシーンも増えた。

 途中からでもマリの身体能力にもすぐ適応できた理由について藤田譲は「他のJリーグの選手に比べたら慣れてると思いますし、チームにもそういう選手はいて、日々やりながらだったので、すっと入れたというか、他の選手より違和感なく入れた」と語る。

 そうした中で最後に失点したところについては「もっと自分が寄せきれていたら」と悔しそうに語るが、中盤でボール奪取を誘発しながら前向きにボールを運んだり、危険な縦パスを付けていく姿は頼もしかった。横浜F・マリノスから欧州に渡った藤田譲は「ベルギーで学んだところでもありますけど、海外の選手は少し前に強いイメージがあって。1つ外してしまえば、自分の推進力であれば1個運べるというのは学んだので、そこはうまく出せました」と振り返る。

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