【J2「中3日」】清水エスパルス、乾の「すごい」ニアぶち抜き決勝点で快勝 「ただ耐え忍ぶのではなく圧力をかけ続けた」秋葉監督が語ったチームの向上【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
豪快な決勝点を決めた清水MF乾貴士  撮影/中地拓也

■清水はワンチャンスを生かして先制も…

「超攻撃的」が、勝負強い。

 日本代表の北朝鮮戦を翌日に控える3月20日、J2リーグ第5節が開催された。ここまで3勝1敗で3位の清水エスパルスは、2勝2敗で8位のジェフユナイテッド千葉とのアウェイゲームに挑んだ。

 前節から中3日のミッドウィーク開催となった今節だが、清水の秋葉忠宏監督はスタメンに手を入れなかった。現在のチーム状況に、自信を持っているのだろう。

 序盤から激しい攻防が繰り広げられた。インテンシティが高く、トランジションが素早い。J2昇格候補同士の戦いは、J1に見劣りしないレベルの攻防となっていく。

 そのなかで、主導権を握ったのは千葉だった。これについては清水が低調だったからではなく、千葉のパフォーマンスに触れるべきだろう。攻守のキーマンとなるMF田口泰士、複数ポジションに対応するMFエドゥアルドがメンバー外だったものの、自陣から確実に前進し、清水を押し込むことができていた。千葉の試合運びからは明確なプレーモデルを持ち、その実行のために濃度の濃い練習を重ねていることが読み取れた。

 それでも、先制点を奪ったのは清水なのだ。44分だった。右サイドのFKをクイックリスタートすると、敵陣中央に位置する1トップの北川航也がボールを収めてMFカルリーニョス・ジュニオへつなぐ。背番号10は右へ持ち出すが、少し長めのトラップはMF乾貴士へのラストパスとなった。ペナルティエリア内右から背番号33が右足を振り抜くと、千葉のGK鈴木椋大が弾く。こぼれ球にいち早く反応したのはカルリーニョス・ジュニオで、背番号10が自身シーズン初ゴールを決めて清水が先制に成功したのだった。

 ところが、先制した直後に同点に追いつかれてしまう。自陣中盤でのボールロストから、千葉の得点源であるFW小森飛絢にワンチャンスを生かされてしまった。

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