期待の若手が自国をワールドカップ出場に導く

 SNSの面では、インスタグラムで言うと当初7000人ぐらいだったフォロワーが、現在は20万人まで増えました。インドネシアを中心とした、東南アジアの方々が一気に増えたので、これから取り組みたいのは、マルセリーノ選手のような期待の若手選手が自国をワールドカップ出場に導くというストーリー、それをサポーターが応援しながら、リアルタイムで追っていけるというコンテンツを作りたいと思っています。

――そうしたコンテンツ作りのひとつがドキュメンタリー『RISING STAR』だとお聞きしています。こちらは、どういった作品でしょうか。また、こうしたコンテンツを発信することによる、サポーターからの反応は?

 こちらは、我々のクラブがアジア各国でのセレクションを通して短期のインターンシップに受け入れた選手に密着したドキュメンタリーです。現地のファンに認知してもらうということと、熱狂を生み出すという点、さらには、私たちの活動や施設を世界中にもっと知っていただくという意味があるんです。 初期は現地のサポーターからの反応が芳しくないときもありましたが、 徐々に潮目が変わりつつあるなと実感しています。わが町を起点に、サッカーで盛り上げながら、グローバルの波に入ろうとしてくれているのかなと思ってくれている感じはありますね。

850名もの応募があったRISING STAR シンガポール セレクションの中から選ばれた3選手が、ベルギー・デインズのアカデミーチームで10日間の研修を行った。シンガポール代表選手であるイルハンとも交流し、ピッチ内外で貴重な経験を得た。 (C)KMSK Deinze

小野寛幸(おの・ひろゆき)ACAフットボール・パートナーズ CEO。慶應義塾大学卒業後に、大和証券エスエムビーシー株式会社(現:大和証券株式会社)に入社し、M&Aや資本調達アドバイザリー業務に従事。米系投資銀行を経て2011年ACA株式会社入社。
 現在はマルチ・クラブ・オーナーシップを核としたフットボールビジネスを新設、資金調達や事業構築を担当する。

 

(2)へ続く
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