■8票中「4分の3」賛成でルール改正
IFABは1886年にイングランド、スコットランド、ウェールズ、そして「アイルランド」の4協会で設立された。138年も前のことである。当時はまだ「アイルランド共和国」は生まれておらず、アイルランド島はすべて「連合王国」の一部だった。1921年にアイルランド共和国が英国から分離独立したとき、IFABは、新しくできた「アイルランド・サッカー協会」ではなく、英国内に残された北アイルランドのサッカー協会にメンバーシップを与えた。
1904年設立のFIFAがIFABへの参加を認められたのは1913年。最初は英国4協会と同様に2票の投票権を持ち、計10票の5分の4(8票)以上の賛成をもってルール改正が決められた。FIFAは「世界中のサッカー協会を代表しているのだから、もっと大きな採決権が欲しい」と要求し続けたが、それが認められたのは1958年のことだった。以後、4協会は各1票、FIFAは4票を持ち、4分の3、すなわち8票中6票以上の賛成でルール改正が行われるようになった。英国4協会だけでも、FIFAだけでもルール改正はできない仕組みになっているのである。