J1川崎フロンターレの新戦力FWエリソンが、今季開幕戦から「理不尽ゴール」を決めた。そのあまりの迫力に、驚愕と戦慄の声が広がっている。
J1で100を超えるゴールを決めたジュニーニョ、ブラジル代表へと成長していったフッキ、昨季まで所属し、その人柄でも愛されたレアンドロ・ダミアン……。川崎とともに歩んできた優秀なブラジリアンの系譜に、新たな選手が加わりそうだ。
その名はエリソン。サンパウロFCから完全移籍で加わった、4月で25歳になるストライカーだ。
クラブの発表では身長180cm、体重83kgということだが、その数字以上の体の大きさを感じさせる。選手としての迫力が、そう見えるのかもしれない。
その迫力は、Jリーグ開幕前から示してきた。ACLやFUJIFILM SUPER CUP 2024で、ゴール後に見せる闘牛パフォーマンスのごとき迫力の突進を見せてきた。
2月24日に行われた湘南ベルマーレとのJ1開幕戦でも、その持ち味を存分に披露した。相手選手が気の毒になるほどの理不尽ぶりだった。
1-1の同点で迎えた後半12分のことだった。GKチョン・ソンリョンが蹴ったボールを、ハーフウェイライン手前で佐々木旭がヘディングで前方へと流す。ただし、タッチライン際の家長昭博にはつながらなかった。
だが、川崎の攻撃は終わってはいなかった。まさに急先鋒となったのがエリソンだった。
湘南DFキム・ミンテが、ひとまずGKへボールを渡そうとする。本来なら湘南の攻撃に切り替わる場面だが、エリソンがその流れを断ち切った。
ボールを受けた湘南GK富居大樹に対し、エリソンが30mほどの距離を猛ダッシュ。さらにはボールを奪い、思わず手が出た富居に引っ張られながらも、あっさりゴールネットを揺らしたのだ。