■千載一遇のチャンスに見せた泥臭さ
一方のサイドバックは、松原に加えて左右サイドバックをこなせる小川大貴も別メニュー調整が続いていた。昨年は特別指定でキャンプなどにも参加していたとはいえ、実際には１年目となる植村にとって、千載一遇とも言える開幕スタメンに向けたチャンスだった。そうして泥臭く意欲を見せる植村は神戸戦のスタメンを掴み取った。
「今日は疲れました。きつい展開だったので。練習試合とかとはまた違う強度で、そこに慣れながらやっていったので。少し最後の方は（足が）つりかけちゃって」
そう振り返る植村は、スタジアム入りするときには緊張が取れて、試合にはキックオフからすんなり入ることができたようだ。しかし、チーム全体が神戸の圧力に押される中で、同サイドで対面する汰木康也とマッチアップで対応するシーンが立ち上がりから増えた。
植村は「１対１になるというのは試合の中であるなと思ってたので、そこでいかに剥がされずに止めるかということだった。止められたシーンもあったけど、やられたシーンもあった」と認める。
本来もっと出したかった攻撃面に関しては磐田が劣勢の時間が長かった分、限定されてしまったところもある。神戸と対戦して植村は「課題になった部分もありますし、自信になった部分もあります」という植村は「自分は失うものがないと思うので、どんどんチャレンジして、トライして、成長していければ」と前向きに答えた。
（取材・文／河治良幸）
