■アジア杯に「集中できない」遠藤航、三笘薫ら欧州組
たとえば、今シーズンからプレミアリーグの強豪リバプールに移籍した遠藤航は、レギュラーポジションをつかみかけた時期でチームを離れることになった。しかも、アジアカップの期間中には「ユルゲン・クロップ監督、今季限りで退任」というニュースも飛び込んできた。代表活動に集中することは難しかったはずだ。
また、森保一監督はアジアカップのメンバーとして、故障のためにクラブで欠場が続いていた三笘薫(ブライトン)などの選手を多数選出した。彼らは、大会中にケガを治して、ゲーム勘を取り戻すという作業を行わなくてはならなかったのだ。
韓国代表でも孫興民(ソン・フンミン)は現在、プレミアリーグでチャンピオンズリーグ圏争いをしているトッテナムのキャプテンを務めているし、李康仁(イ・ガンイン)はパリ・サンジェルマン、キム・ミンジェはバイエルン・ミュンヘンという強豪チームに所属しており、チャンピオンズリーグのラウンド16が控えている。
これに対して、中東諸国の選手の多くは国内もしくは近隣諸国のクラブに所属しているから、彼らにとってはまさにシーズンの真っ盛りであり、コンディションは上がっている。しかも、アジアカップ期間中はリーグ戦も中断するので、代表チームでのプレーに集中しやすい環境にある。
中東での1~2月開催という条件は間違いなく中東諸国優位につながる。アジアカップは、次回の2027年大会もサウジアラビアでの開催が決まっており、やはり同年1~2月の開催となる見通しだ。次回も「中東優位」は揺るがないだろう。