「難しい」三笘ら欧州組!「絶対」の中東優位!「アジアカップ」が示す【日本代表「ワールドカップ」への道】(2)の画像
アジアカップ今大会はカタールが制した。撮影:原壮史(Sony α1使用)

 サッカーのアジアカップが終了した。日本代表は8強で敗れ、大会を制したのは開催地のカタール代表だった。今大会は強豪国が相次いで敗れるなど、ピッチ上での勢力図に変動が起きた。また、ピッチ外でも、さまざまな変化が起こっている。今後、日本代表はアジアカップといかに付き合っていくべきか、また、ワールドカップ出場するために必要なものは何か? サッカージャーナリスト後藤健生がアジアカップを分析し、今後の日本が歩むべき方向を指し示す。

■ノックアウトステージ進出の「16か国中9か国」が中東勢

 2024年の1月から2月にかけて行われた第18回アジアカップは中東優位の大会だった。決勝戦は中東同士の戦いであり、ベスト4も韓国以外は中東の国々だった。

 各グループの首位となったのも、グループBのオーストラリア以外はすべて中東勢。ノックアウトステージ進出の16か国中、9か国が中東勢だった(中東とオーストラリア以外は、東アジアの日本と韓国。東南アジアのタイとインドネシア。そして、中央アジアのウズベキスタンとタジキスタン)。

 中東優位となった原因の一つはいわゆる「地の利」。中東諸国は現地カタールの気候にも慣れており、本国からの移動距離が小さいことは当然。そして、同じイスラム教国での開催で、文化的にもリラックスして過ごすことができる点もアドバンテージとなる。

 もっとも、冬場の中東(ペルシャ湾岸諸国)は気候としてはサッカーをプレーするのに申し分ないし、たとえば日本の選手たちはカタールで何度もプレーした経験があるから負担は大きくなかったはずだ。また、ヨーロッパのクラブに所属している選手にとっては移動距離が短くてすむ(準々決勝敗退後、日本選手がすぐに所属クラブに戻って活躍できたのも中東開催のメリットだった)。

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