■相反する目標

 この複雑な作業を、VARとAVARの2人だけで行わなくてはならないのである。しかも、迅速に、である。

 よく使われたフレーズが「アキュラシー・アンド・スピード」だった。

「アキュラシー」は「正確性」である。

 その「アキュラシー」と「スピード」は「アンド」という接続詞で結ばれているが、2つは相反するものだ。

 正確性を追い求めれば、どうしても時間はかかる。過度にスピードを意識してしまえば、必要な手順を飛ばしてしまい、正確性が失われてしまう。

 その、相反する目標を追求するためのトレーニングなのである。

 トレーニングとしては、海外のリーグ戦の映像を使用したシミュレーションと実際にピッチでプレーを行い、ピッチ上のレフェリーとVAR、AVARがコミュニケーション・システムを通じて交信するトレーニングの2つが行われていた。

(2)へ続く
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