■VARの役割分担
VARの前方には生のプレー映像と、3秒遅れの映像が流れている。生映像で何かチェックすべき事象が発生したときに、すぐに3秒遅れの映像を見れば、映像を止めずに再確認できるのだ。
そこでVARが、チェックが必要と判断すれば、オペレーターが必要な映像を探してVARに提供する。試合がストップしないまま流れている場合は、その間にAVARが生の映像チェックを続け、同時にAVARはピッチ上のレフェリーに何をチェックしているかを伝えていく。
そして、VARの判断によってプレーを止めたり、再開を遅らせてチェックを続けていく。VARが決定するのは「ピッチ上のレフェリーの判定を支持するのか、レビューを行うのか」である。内容によって、オンリー・レビュー(VARの判断で判定を決定する)か、オン・フィールド・レビュー(レフェリーがモニターで映像を確認する)かを決める。
オフサイドか否か、退場処分のになった選手の間違いなど、事実のチェックだけで判定できるものはオンリー・レビューになるが、ハンドリングやラフ・タックルなど選手の意図など主観的なジャッジが必要な判定はレフェリーが最終的に決定する。
ゴールが決まったり、ハンドやPKになるような反則が起こったりした場合には、一連の攻撃の起点までさかのぼり、プレーの途中で反則やオフサイドがなかったかを確認することも必要になる。