サッカー日本代表のアジアカップが幕を閉じた。準々決勝でのイラン戦は、終了間際にPKを決められるショッキングな逆転負けだった。だが、そこに至るまでの内容、大会を通しての戦い方は、どう評価され、今後に活かされるべきなのか。アジアカップ8強が持つ意味を、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り合った。
■頼れるベテラン
大住「ワールドカップの予選に臨むにあたり、2026年の本大会を想定したメンバーで戦わなくてもいいと思うんだよね。目の前の試合に良いコンディションで臨める選手であれば、2年後の本大会のことは考えず、ベテラン選手に頼ったっていいと思う。たとえばGKには西川周作はどうなのとかいう話も出ているくらいだし、同じ浦和レッズの酒井宏樹もケガがなければ頑張ってくれると思う。J2だけど、乾貴士だっているじゃない」
後藤「将来を担う若手を選ぶのもいいと思うよ。川崎フロンターレの19歳、U-22日本代表にも選ばれた高井幸大とかさ。同じ川崎のアカデミーから今季昇格した期待のDF、由井航太を使っても面白いだろうしさ。国内組でチームをつくった方が、使い勝手が良いと思うけどな」
大住「約束事の浸透もあるだろうから、そういう選手を呼んで合宿をする機会をつくらないといけないよね。もう今年は今後、ワールドカップ予選しかないんだけど…」
後藤「それが問題だよね」
――森保一監督はベストメンバーにこだわりそうですが…。
大住「いや、変わってきていると思うよ。去年の9月のドイツ遠征シリーズで、ドイツ戦とトルコ戦の間が中2日だったから仕方なく完全ターンオーバーで戦った。それでも大丈夫だったので、以降はそうやって戦うようになった。それまでやったことがなかったけど、取り入れるようになったんだよ。だから、変わらない、ということはないと思う」
後藤「4年前には、そんなことは考えられなかったけどね。今回のアジアカップでの敗退も、変わるきっかけになるんじゃないの。フィジカルだけじゃなくて、いろいろな意味のコンディションが上がらないと、こんなことになるんだということは監督が一番感じたんじゃないかな」