アジアカップで優勝を狙ったサッカー日本代表だったが、夢半ばのベスト8で敗退となった。2月3日のイラン戦を1-2で落としたためで、一発勝負の決勝トーナメントで“勝負は水物”という言葉を突き付けられる結果となった。
その試合でどうすべきだったか、という点についてはそれぞれの意見があるが、中でも気になる人が多かったと思われるのはなぜ3バックにしなかったということではないだろうか。
森保ジャパンは2022年のカタールワールドカップで4バックと3バックを併用。ドイツやスペインに対してもうまく使い分けて世界を驚かせる逆転勝利を手にした。“伝家の宝刀”とも言えるシステム変更を、今回はなぜ用いなかったのか。
その疑問の声を、イラン戦での最終ラインの“出来”がさらに大きくさせている。冨安健洋と組んで先発した板倉滉がこの日はパフォーマンスで優れず、競ることもつなぐこともできなかったからだ。板倉と毎熊晟矢を狙ったロングボールをイランが多用していることは明白で、であればこそ、何か“処置”が欲しかった。
そこで挙がるのが、板倉の交代か、あるいは、その交代の有無にかかわらずの3バックである。最終ラインを3枚にして+1の状況を作ることで、仮に板倉を残したとしても、それぞれの役割を明確にして負担を減らすことができたはずだ。