■前田と久保の交代で変わった流れ

 2023年3月に第2次森保ジャパンが発足してから、指揮官は試合毎にメンバーを大きく入れ替え、結果を出し続けてきた。だからこそ、インドネシア戦ではまだグループ突破が決まっていないのに8人のスタメン変更に踏み切った。それが奏功し、「これだけ選手を変えている監督はいない。少し先を見て余裕を持てるようになった」とコメントしたのだ。

 伊東純也(スタッド・ランス)のアクシデントが起きた時も「誰かがいなくなったから…というチーム作りはしてない」と断言。自信を持ってイラン戦に挑んだはずだったが、やはり状態の芳しくない板倉や遠藤に頼ることになった。

 交代カードを見ても、前田大然(セルティック)と久保建英(レアル・ソシエダ)を下げて、三笘薫(ブライトン)と南野拓実モナコ)を入れるというのは、カタールW杯と同じ。前田と久保に関しては「途中で下げる選手」と位置付けているようにも見受けられた。結果的に守備力のある前田、ボールを落ち着かせられる数少ない存在だった久保がいなくなり、より一層、蹴り込まれるようになったわけだが、やはり森保監督の中では信頼できる選手が決まっているのかもしれない。

 そういう采配を見ると、2023年の代表強化が生かされなかったという印象は拭えない。もちろん大黒柱というのはどのチームにもいるが、そこから脱皮していかないとアジアでも勝てないことを今回痛感させられたはず。そこを改めて指揮官に聞いてみたいところだ。

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