■追い打ちをかけた疑惑報道
それはイラクに負けた時も同じ。相手は日本を倒そうと死に物狂いでぶつかってきた。それだけ日本がリスペクトされるようになったということでもあるのだが、サポーターの雰囲気含めて明らかに日本は劣勢。それを跳ね返すだけの気迫や闘争心が欠けていたと言われても仕方がないだろう。
「『アジア最強』とか『調子いい』とかいろいろ言われていたが、浮かれていたらダメ」と日本サッカー協会の田嶋幸三会長も語ったが、森保監督も選手たちもどこかで「自分たちはカタールW杯でドイツやスペインに勝った国だ」「今回のアジアカップは次の2026年北中米W杯で7試合戦うためのシミュレーション」といった感覚で捉えていた部分があったのかもしれない。
欧州組は所属先を1か月以上空けることになり、その間にポジションを失う可能性もあった。それが気になって大会に集中しきれない選手もいたのではないか。
そこに追い打ちをかけたのが、伊東純也(スタッド・ランス)の“疑惑報道”。重要なバーレーン戦からイラン戦にかけての3日間でチーム内外がゴタゴタし、それが選手たちのメンタルに影響しないはずがない。キャプテン・遠藤航(リバプール)は「切り替えて優勝するために戦う」と話していたが、チームはフワフワしたままだった。