■どうしてリーグ戦で適用されないのか
7人のうち、通常1人はGKだろうから、フィールドプレーヤーは6人。各ポジションの選手を入れておくのが通常のやり方だ。
試合が始まって、たとえば右サイドが機能しない。そんな場合に、右サイドを担当できる選手がベンチに十分にいるのか? DFが1人負傷して交代した後、DFの攻撃参加のためにもう1人DFを交代させたくても、ベンチにDFはいない……。
そんな制約がいろいろ想像できる。
延長戦に入れば6人目の交代が認められるが、90分までに5人の交代をすませてしまっていれば、ベンチにいるフィールドプレーヤーは1人だけ。それが監督が変更したいポジションの選手でないことも多いだろう。
つまり、5人交代制の面白さを十分に味わうためには、ベンチにもっと多くの選手を置けるようにするしかないのだ。
国際試合やヨーロッパのトップリーグでは9人から12人がベンチ入りしている。日本国内でも、全国高校選手権大会や大学リーグではベンチ入りは9人だ。
ルヴァンカップでの変更を見れば、Jリーグもベンチ入り人数の拡大が「戦術の幅の拡大」につながるということは認識しているのだろう。
では、なぜ今回は変更がルヴァンカップだけでリーグ戦での変更が見送られたのか……。はなはだ残念に思うのは僕だけではないはずだ(「ルヴァンカップでは延長戦がある」というのが、違いなのかもしれないが……)。
ベンチ入り要因を増やすことは、Jリーグの試合のエンターテインメント性を上げることにつながる。ぜひ、近い将来、リーグ戦でもベンチ入りの選手数の増加を実現してほしいものである。