■12月開催の「利点」
さて、1996年大会は12月4日から21日まで、ドバイ、アブダビ、アルアインの3都市で開催されました。その前の広島大会までは参加国は8か国でしたが、UAE大会から12か国に拡大され、4か国ずつ3つのグループに分かれ、それぞれが3つの都市で移動なしで試合を行います。
日本代表は、前回、地元開催の大会で初優勝しましたが、このときも“薄氷の戦い”の連続。その翌年には「ドーハの悲劇」があって、アメリカ・ワールドカップ出場は逃してしまいました。さらに、その後就任したパウロ・ロベルト・ファルカン監督が川淵三郎強化委員長との確執から事実上の解任となり、急遽、加茂周氏が監督に就任。準備期間も十分でなく、難しい状況にありました。
大会が12月に開かれるというので、僕はあることを思いつきました。
「そうだ、年賀状をUAEで投函しよう!」
当時は、まだ一般人がインターネットに接続するのは難しい時代。連絡は郵便かFAXか、パソコン通信かという時代です。絵葉書とか年賀状もけっこう書いていました。