後藤健生の「蹴球放浪記」第198回「しまった。韓国戦を見に行っておけばよかった!」の巻(1)年賀状を送るなら「UAE経由日本行き」の画像
1996年アジアカップのADカード 提供/後藤健生

 サッカー日本代表は現在、カタールでアジアカップを戦っている。このアジア最強国を決める大会を、蹴球放浪家・後藤健生は何度も取材してきた。アジアカップのさまざまな楽しみ方をつづる。

■1996年のUAE

 現在、中東のカタールでアジアカップが開かれています。今回は一身上の都合で現地に行くことはできませんでしたが、僕はアジアカップはこれまで7回、観戦してきました。日本代表が本格的に初参戦して、初優勝した1992年の広島大会以降すべての大会です。

 そこで、今回はアジアカップの思い出を紐解いてみたいと思います。

 初めて、海外でのアジアカップを見に行ったのは1996年のアラブ首長国連邦(UAE)大会。UAEの建国とザイード大統領就任25周年を祝って開かれた大会でした。

 といっても、25年前に大統領選挙があったわけではありません。

 UAEはアラビア半島北岸の7つの首長国が集まってできた連邦国家で、6つの首長国が連邦を結成したのが1971年だったというわけです(後にラス・アル・ハイマも加入)。

 各国は世襲の絶対君主制ですから「選挙」はありません。最大の首長国であるアブダビの首長と、それに次ぐドバイの首長が自動的に大統領と副大統領になることになっているのです。

 ちなみに、UAEの「E」は「Emirates」。「首長(Emir)の国々」という意味です。ドバイの国営航空会社も「エミレーツ」と言いますよね。国王(King)の国を「Kingdom(王国)」と言うのと同じです。ちなみに、徳川将軍の国(=日本)のことを、当時の欧米人は「Shogunate」と呼んでいました。

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