■2列目は攻撃センスの高い選手が健在

 二列目は松本昌也山田大記藤川虎太朗金子翔太、そして大森という攻撃センスの高い選手たちが健在だが、どちらかというとコンビネーションでの崩しを得意する選手たちだ。左サイドの突破を武器とする古川が本当の意味で主力になれるかはチーム躍進の鍵でもあるが、個で違いを作り出すという意味ではブラジル人のブルーノ・ジョゼが新たな武器になる期待もある。

 また磐田からA代表入りを目指す平川も基本的には前所属のロアッソ熊本と同じく、10番ポジションと呼ばれる二列目の中央が主戦場になるだろう。韓国の大田ハナシチズンから来た石田雅俊はシャドーストライカーであり、二列目の他の選手とはかなりタイプが違う。MF登録ながら得点力が高く、競り合いでも強さを発揮する。横内監督が2トップを採用する場合はFW起用も考えられるが、貴重なシャドーストライカーとして流れを変える役割を果たしそうだ。

 後藤がベルギー、ファビアン・ゴンザレスヴァンフォーレ甲府に移籍、大津が引退したFWは昨シーズンのJ2で9得点のジャーメイン良だけが残り、ブラジル人のマテウス・ペイショットと21歳のウェベルトンという構成になった。

 マテウスは昨年まで川崎フロンターレの攻撃を牽引したレアンドロ・ダミアンに似たタイプであることを認めており、強さと柔らかさの両面を発揮してゴールを狙う。ウェベルトンはスピードがあり、サイズはそれほど大きくないものの空中戦にも自信を持っている。

 おそらくマテウス・ペイショットは1トップのスペシャリストとして構想されており、ジャーメインとウェベルトンに関してはセカンドトップ的な起用も横内監督のイメージにあるはず。2列目とのポリバレントと見られる石田も含めて、昨年から顔ぶれが大きく変わったFW陣がJ1でどれだけ通用するのか。もちろん彼らをどう生かすかは中盤やサイドアタッカーのチャンスメイクにもかかっている。

(取材・文/河治良幸)

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