■出場中、流れの中では無失点
あれから1年2カ月が経過。長友佑都(FC東京)や吉田麻也(LAギャラクシー)ら30代ベテランDF陣が代表を離れ、紛れもなく冨安がリーダーの1人となった。今大会もケガとの闘いを強いられ、最初からフル稼働できたわけではないが、イラク戦後半からピッチに立って以降、彼が出ている時間帯は流れの中から失点していない。その圧倒的な存在感は誰もが認めるところだろう。
これで3試合を消化。彼自身、試合勘を取り戻し、次は中2日で最強の敵・イランと対峙する。相手エースFWサルダル・アズムン(ローマ)はアジア屈指の点取屋で、2019年UAEでの前回大会でも冨安は戦い、苦しめられている。あの時よりも個人能力、経験値、戦術眼、統率力含め、あらゆる面で成長したところを見せる絶好のチャンスなのだ。
久保、上田、冨安らW杯の挫折をバネに成長した面々がグングン調子を上げ、重要局面を迎えつつあるのは、日本代表にとって朗報だ。同じカタールの地で違いを見せつけ、アジア最強を証明することができれば、彼らにとって理想的。そうなるように、確実に勝ち続けてほしいものである。
(取材・文/元川悦子)