2023年、日本サッカー界は成長を続けた。ドイツ、スペインを撃破した2022年のカタール・ワールドカップに続き、アウェイの地でリベンジに燃えるドイツを返り討ちにするなど、世界を驚かせ続けた。その成長は、2024年も続くのか。日本サッカー界の成長への期待と、そのために必要なポイントについて、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が、年をまたいで燃え盛る激論を交わした。
■神戸の時代は続くか
――2024年シーズンのJ1のトレンドの推移の話は出ましたが、順位はどんな変動があると思いますか。
大住「ヴィッセル神戸が覇権を握り続けるのは難しいという気はするけど。ベテランが中心のチームだから」
後藤「でも、佐々木大樹といった若手たちがすごく伸びたじゃない。ベテランが頑張っているうちに、そういう若い選手をどこまで伸ばせるかだね」
大住「そうだね、佐々木は伸びたね。でも、あれだけベテランの数が多いと、やはり2シーズン連続で好調を保つのは難しいのではないか、という疑問は出るよね」
後藤「神戸はアカデミーでの選手育成がうまくいっているんだよ。2024年には間に合わないけど、2022年にU-15は日本一になったし、2023年にはU-18も頑張った。ベテランがあと2、3年頑張っているうちに、若い子がたくさん出てくるよ」
大住「神戸は2023年シーズン、どんな犠牲を払っても一度優勝を、ということで、目の前のシーズンに集中していたと思うんだよね。次のシーズンも見据えながらの選手起用なんて、吉田孝行監督はしていなかったと思うんだよね、とにかく、2シーズンもフォームを保つというのは、どんなチームにとっても至難の業だよ。しかも、全員がひたすら攻守にしっかり働き続ける神戸のサッカーなら、なおさらだよね」
後藤「2023年のシーズンが始まった頃にも、そんなことを言っていたけどね。夏場に息切れするんじゃないか、って。それでも、神戸はシーズン通して調子を保ったよ」
大住「さすがに2シーズン続けて、は難しいんじゃないかなあ」