■「最後までやっぱりかっこよかった」
突然の取材にも快く答えてくれた登里は、泣いていたことについて「はい、そうですね……」と視線を遠くに向けた。そして、「今日のプレーを見て、本当に最後まですごくチームのために献身的にプレーしてました。最後までやっぱりかっこよかったです」と話し始め、「今までの日頃の姿勢、出てるときも出てないときも常に同じテンションで練習に取り組む姿を見てましたし、今シーズン、スタメンで出る機会も多かったし、本当に、ジョアンがいなければ、もっともっとチームが崩れてたと思います」とピッチ内外での姿勢を賞賛。
そして、「だからこそ、最後にこうやって一緒に天皇杯で優勝できてすごく良かったです」と笑顔を見せた。さらに、「これから先、また同じサッカー界でプレーするので、どこかで会うと信じています」と前を向くと、「彼の人柄、人間性は本当に真似していきたいですし、特に今日のプレーしっかりと目に焼き付けたい」と強く言い切った。
1年ごとに入れ替えが起きるのは、プロサッカーチームの宿命でもある。その中で、長く所属する選手もいれば、夢半ばで去る選手もいる。そんな両者にとって、いい刺激を与えあって、また会える日を期待する姿は、とても印象的だった。
(取材・文/中地拓也)