■呼び名の由来
ところでその「ペナント」とは、いったい何なのだろうか。プロ野球のセパ両リーグの巨大な三角形の優勝旗を「ペナント」と呼び、これを勝ち取るためのリーグ戦を「ペナントレース」と言ったりする。日本人には、そのイメージが強いのではないか。
また、日本各地の観光地に行くと、カラフルな三角形の旗が売られており、これも「ペナント」と呼ばれ、少し前までは修学旅行のおみやげの定番だった。これについては、NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』で話題が出て、1950年代に東京のタオルメーカーの社長さんがプロ野球の巨人の試合を見てバックスタンドに翻る優勝ペナントからヒントを得たものと紹介されたのを見た覚えがある。
「ペナントPennant」とは、中世の騎士が槍の先につけた旗を指した言葉で、「ペナン」とも「ペンダント」とも呼ばれ、その合成語が「ペナント」になったという。「翼」や「羽」を意味するラテン語の「ペナ」から生まれた言葉だという。近世に至ると、軍艦の「旗艦」のマストの最上部に艦隊行動中に掲げられた細長い三角形の旗の呼び名として使われるようになった。