■川村を救ったスキッベ監督の言葉

 そんな川村を救ったのは、ミヒャエル・スキッベ監督の言葉だった。「もっと楽しむ」という言葉を授けられ、サッカーに別な気持ちで臨むことができた。

 それによって、今季の後半戦は「特に意識してない」と特別な練習などを採り入れなかったものの、「ポジショニングはここ半年で成長した部分であるので、そこはもっとタイミングを見計らって、すべて行くのではなくて、もっと自分の思ったタイミングで、そこはどんどん走っていきたい」と成長を実感している。

 さらに、「森保さんとも話して、やっぱりボックス・ボックスのところを評価してもらったので、そこでの自分の特徴を出したい」と明るい表情を見せた。

 川村のサッカー人生にとって、悔しいことが2つあるという。1つは昨年の天皇杯決勝でのPKの場面、そしてもう1つが、今季の日本代表の離脱だ。その一つを乗り越えつつあるが、それを実際に証明するのはピッチの上こそふさわしい

 1月1日の国立競技場で自慢の左足を魅せられるか。まずは、ピッチの上に立ってみせる。

(取材・文/中地拓也)

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