川崎フロンターレが柏レイソルと対戦した12月9日の天皇杯決勝は、0−0のままPK戦にもつれ込む接戦となる。共に2人ずつ外して迎えた8人目の山根視来が見せたのは、大舞台での強心臓ぶりだった。
ちなみに山根は2年前の大分トリニータとの天皇杯準決勝のPK戦で失敗。この経験を糧に練習を続けてきたのだという。
「2年前の天皇杯、僕が外して負けてしまったので(7番目で外し敗退)。しっかり準備してきて。もちろん緊張しますけど、自分がやってきたことを信じて。後悔のないように。やりました」
そう話す山根は「キーパーの動きをしっかり見て」ギリギリまでキックを我慢。GKを先に寝かせたあと、真ん中にゴロで蹴り込んで見せた。そして思いを込めたガッツポーズを繰り返したあと、国立競技場のゴール裏に陣取る川崎サポーターを煽った。
「やっぱりあっち側でPK戦をできたっていうところで、蹴る前からずっとこの雰囲気を持っていきたいなと思ってたので」
山根に煽られたサポーターのボルテージは最高潮に達し、川崎の選手たちを鼓舞した。それこそが山根の狙いだった。
「柏の選手がPK決めた後の盛り上がりと、僕らの選手が決めた時のダイレクトな盛り上がりの迫力(の違い)っていうのを感じながら見てたので。そこの力を思いっきり借りようかなと思って、煽ってました」