「ピッチに立ちたかった」
今季、プロ1年目を過ごした川崎フロンターレの大関友翔が悔しさを露わにしたのは6月8日のことだった。
その前日、チームは天皇杯2回戦として栃木シティと対戦。大関はこの試合で始めて公式戦でのベンチ入りをした。若手を多く抜擢したこの試合がプロデビュー戦になるかと思われたが、試合終了のホイッスルをベンチで聞くことに。冒頭の言葉は、「まだまだ足りないものがあるということ」と続けた大関の素直な心情が口から出たものだった。
そして迎えた天皇杯3回戦。水戸ホーリーホックを相手にしたアウェーゲームで2度目の公式戦ベンチ入りをしたが、またもピッチに立つことはできなかった。「1回目のベンチ入りのときと、2回目のベンチ入りの時の、悔しさの度合いが自分の中でめちゃくちゃ違う」と、直後の麻生グラウンドで、さらに強い言葉で悔しさを見せた。
今季、大関と同い年の選手は他に3人いる。高井幸大、松長根悠仁、名願斗哉だ。3人は今季序盤までにすでに公式戦に出場しており、大関だけが出番がなかった。そのため、シーズン終盤には「正直、焦りがあります」と吐露したこともあった。