■スプーンとフォークがない…
さて、レジのあたりにスプーンやフォークが置いてあるものだとばかり僕は思っていました。東南アジアではナイフは使わず、スプーンとフォークで食事するのが普通です。それまで入ったインドネシアのレストランや食堂もそうでした。
ところが、ここには何も置いてありません。周囲を見回すと、多くの人たちが手で食事をしています。
「あ、そうか。手食か!」。
僕も挑戦してみることにしました。中東でインド系の労働者が通う食堂に入ると、インド人たちは手で食べていますが、外国人だと思うとスプーンとフォークを付けてくれます。だから、僕はまだ「手食」にトライしたことがなかったのです。
取ったおかずのうち、エビと焼き鳥は串に差したものですから、日本の焼き鳥と同じです。もう一つの肉の煮込みとご飯。これを、右手の指先で適量ずつまとめて口に運びます。やってみると別に何も難しいことはありません。きれいに完食できました。
考えてみれば、日本でもおにぎりはそのまま手で持って食べます。ピザもナイフで切ってから手で持って食べます。寿司は今では箸で食べる人の方が多くなっていますが、本来は手で食べるべきものです。
バラバラの米をまとめるのにちょっと苦労しましたが、スンダ料理もそれと同じです。
味付けは濃いめでしたが、スンダ料理は評判通りとても美味しい料理でした。しかも、便秘解消にも効いたのですから言うことはありません。