■勝利が絶対条件の清水は「超攻撃的」を取り戻せるか
運命のキックオフが、近づいている。
J1昇格プレーオフの決勝戦が、12月2日に国立競技場で行なわれる。年間順位4位の清水エスパルスは、年間順位3位の東京ヴェルディのホームに乗り込む。
清水は25日に行なわれたプレーオフ準決勝で、年間順位5位のモンテディオ山形とスコアレスで引分けた。引分けでもOKという条件のもとで、秋葉忠宏監督はMFカルリーニョス・ジュニオをベンチスタートとし、DF岸本武流をスタメンに指名した。岸本が2列目の右サイドに入り、右サイドが本職のMF中山克広が左サイドにまわった。
チームトップの15ゴールを記録したカルリーニョス・ジュニオではなく、サイドバックでも起用されてきた岸本を2列目に置いたのは、ディフェンス重視の判断と考えるのが妥当だ。それが悪かったとは言わないが、指揮官が掲げる「超攻撃的」、「超アグレッシブ」の姿勢が薄れたのは否めなかった。前半30分あたりまでは、決定的なシーンをほとんど作れなかったのだ。
山形戦は引分け以上でOKだったが、今回は勝利が絶対条件だ。主導権を握っていく本来のスタイルで臨んでいい。カルリーニョス・ジュニオをスタメンに復帰させ、MF乾貴士、FWチアゴ・サンタナとのコンビネーションで相手守備陣にストレスを与えていくべきだ。
手堅い試合展開を想定すると、セットプレーが重要になる。左SB山原怜音や乾らのキッカーが、CB鈴木義宜、CB高橋祐治、右SB原輝綺らの高さを生かすのが基本パターンだが、デザインされたFKやCKももちろん用意しているはずだ。
いずれにせよ、J1昇格のために勝利が必要な清水は、先制点を奪えるかどうかがポイントになる。それも、早い時間帯が理想だ。
プレーオフ準決勝で東京Vと対戦したジェフユナイテッド千葉は、開始早々から決定機をつかみ、先制の好機も生み出した。清水にもアグレッシブな入りが求められる。