U-17日本代表の年代別ワールドカップでの冒険が終わった。インドネシアで開催されたU-17W杯で、ラウンド16で敗れたのだ。決して満足な結果ではないだろうが、若きサムライたちにとって大事なのは、この経験をどう活かすかだ。サッカージャーナリスト後藤健生が、大会を通じて見えた成長と課題をつづる。
■難敵ぞろいのグループ
初戦の対戦相手はポーランド。5月に行われたU-17欧州選手権では準決勝敗退の3位に終わっていたが、準決勝では優勝したドイツと3対5という撃ち合いを演じており、グループリーグから準決勝まで5試合で16得点と攻撃力を誇るチームだった。
大会前に飲酒が発覚して4選手がチームを離脱。U-17ワールドカップでは登録選手数が21名なので、ベンチの控え選手が6人しかいない状況となってしまい(うち2人はGK)、結果的には3戦全敗に終わったが、初戦で日本が対戦した時には、さすがの個人テクニックの高さとコンビネーションの良さを見せていた。
2戦目のアルゼンチンも南米予選ではブラジル、コロンビアに次いで3位だったが、アルゼンチンといえばユース年代で実績のある国。U-17世代ではまだ優勝経験はないが、U-17からU-20、オリンピックそしてフル代表と一貫指導体制が確立されている。
昨年のワールドカップではリオネル・メッシの活躍で3度目の優勝を飾ったが、メッシもすでに36歳。将来を考えれば、アルゼンチンにとって若手育成は喫緊の課題ということができる。