後藤健生の「蹴球放浪記」第187回「車体が見えないホーム柵にビックリ」の巻(2)ロシアの地下鉄駅で出くわした「真っ黒な壁」の画像
2018年W杯、サンクトペテルブルクでの最初の観戦はブラジル戦だった 提供/後藤健生

 サッカーは世界共通だが、少しずつ違うものが世の中にはある。蹴球放浪家・後藤健生は、海外でのサッカー取材でそうしたものに多く出くわす。それは、互いの文化を学ぶことにもつながるのだ。

■フルスクリーンドアとは

 2023年3月のダイヤ改正で、JR大阪駅に21~24番線が開業しました。従来の梅田貨物線の路線を地下化した路線で、将来は難波駅や南海電鉄新今宮駅まで結ばれ、JRと南海の様々な電車が乗り入れることになるそうです。

 そこで、「可変式フルスクリーンホームドア」というものが設置されました。

「可変式」というのは、どんな車両がやって来ても、ドアの位置を変えることができるということ。

「フルスクリーン」というのは、これまでのホームドアでは柵の高さは1メートルほどで、それより上は空間になっていたのを(つまり、手を伸ばせば電車に触ることができる――良い子は絶対にマネしないでね)、全面を柵にしてしまったということです。

 つまり、ドアの部分を除いて、ホーム側の空間と電車の車体を完全に分離してしまったわけですね。

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