11月5日に味の素スタジアムで行われたJ2リーグ第41節、東京ヴェルディ対栃木SCの一戦で、何とも“珍しい”シーンがあった。
J1自動昇格の可能性を繋ぐためには勝利が絶対条件だった東京Vと22チーム中18位の栃木の対戦。試合は東京Vがボールを保持しながらも、しっかりとブロックを敷いて守る栃木の守備網を崩せずにこう着状態が続いた。そして迎えた前半アディショナルタイム、栃木がゴール前でFKのチャンスを得た。
右寄りの位置、ゴールまでの距離約20mというFK。東京V城福浩監督の抗議もあって間が開いた後、ボールをセットした栃木のMF福森健太が力強い踏み込みから右足を振り抜くと、カーブのかかった鋭いシュートがゴール右上の隅を襲った。
スピード十分でコースも抜群のシュートに、東京VのGKマテウスは反応できず。キッカーの福森を含めて多くの者がゴールを予感して息を飲んだ。だが、ボールは右ポストを叩くと、そのままマテウスの頭上を通り抜け、なんと左ポストにも当たってゴールならず。必死に戻ってきた東京VのDFに大きくクリアされると、福森は悔しそうに天を仰いだ。