■4分半での139本のパス回し
2点目が入った直後にウズベキスタンのスローインがあり、ボールを受けた選手にMF熊谷真実がプレッシャーをかけると、ボールは簡単にFW宮澤ひなたの足元にきた。そこから4分半近く、なでしこジャパンは実に139本(!)ものパスを回し続けたのである。そしてDF清水梨紗から千葉へのくさびは相手が触れたものの、そのボールはあっさりと日本のものとなり、またパス回しが始まったのである。
これに対し、0-2とビハインドの状況のウズベキスタンも、ただ10人のブロックをゆったりと左右に動かして対応するだけで、積極的にボールを奪おうという姿勢は見せない。あるいは最初の15分間で日本の個人技とボールを奪われないパスの組み合わせを体感し、「ミスを待つしかない」と、「あきらめ」の境地だったのかもしれない。
そしてごくたまにボールがウズベキスタンに渡ると、なでしこジャパンの選手たちは驚くべき速さで切り替え、相手を追い詰め、他の選手が1人、2人と寄ってきて、ウズベキスタンがパスを1本か2本つなぐかつながないかのうちに奪い返してしまうのである。そして試合は、ほぼすべてといっていい時間、ウズベキスタン陣内で展開され、しかもなでしこジャパンは、まるで嫌っているかのように、ウズベキスタンのペナルティーエリアには入っていかなかったのである。もちろん、シュートも打っていない。