■欧州移籍は全体の1%程度

 しかし、考えてみればヨーロッパのクラブに移籍する選手は毎年10人強だろう。今後、日本人選手に対する評価が上がれば、移籍する選手は増えるだろうが、それでも、せいぜい毎年20人から30人。つまり、Jリーグ全体の選手数のわずか1%程度ということになる。

 同様に、選手を移籍させて移籍金を得ることができるクラブも、せいぜい10クラブから15クラブほど。現時点で60あるJリーグクラブのうち、秋春制移行によって海外移籍が容易になることで利益を得られるのは一部のクラブ、一部の選手だけのことだ。

 ACLに出場するクラブも現在の制度では4クラブ。2024-25年シーズンからは、ACLの方式が変更となるが、いずれにしてもACLに出場するのはほんの一握りのクラブだけということになる。

 だから、海外移籍を容易にするために、あるいはACLのシーズン制変更に合わせるためにJリーグのシーズン制を移行するというのは根拠としておかしいのではないだろうか?

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