【カナダ戦の伊藤敦樹に見る”森保ジャパン”ボランチのマルチタスク(1)】遠藤航に代わるゲームコントロールを求められたカナダ戦。田中・川辺とコンビを組んで試合クローズの画像
サッカー日本代表の伊藤敦樹 撮影:中地拓也

 10月シリーズはここから北中米W杯のアジア二次予選、来年のアジア杯に向けて、さらなるチームの強化を図る機会だが、選手にとってはサバイバルの場でもある。カタールW杯はコロナ禍の特別措置で26人のメンバー編成だった。”第二次・森保ジャパン”も、ここまで3回のシリーズは26人のメンバーを招集してきたが、11月の二次予選からは23人に。つまり3人が削られるということだ。

 具体的にどこのポジションが削られるかは不明だが、ボランチ枠も例外ではない。森保一監督は現在4-2-3-1をベースに、相手や流れ、状況に応じて4-1-4-1に可変できるシステムを構築しているが、基本的に4-4-2の守備をベースにしているので、どちらの形にしてもボランチの選手は二枚が入ることになる。

 今回のメンバーでは遠藤航リバプール)、守田英正スポルティングCP)、田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)、伊藤敦樹浦和レッズ)、追加招集の川辺駿(スタンダール・リエージュ)がおり、複数のポジションをこなす旗手怜央も候補になってくる。

 この中では遠藤航が4-1-4-1ならアンカー、4-2-3-1でも中盤の底でバランスを取る、いわゆる6番の役割がメインになるが、そのほかの選手はどちらかというと攻撃で前に関わったり、守備でも前からプレッシャーをかける側を得意としていたり、所属チームでもそうした仕事が多い選手たちが揃う。ただ、遠藤がピッチにいない状況も想定される中で、誰が組んでも中盤が機能するように役割をシェアしていく必要がある。

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